すべてが、みずみずしくて、なにもかもが、なんだかうれしかった。
大雨や、ちょっとした地震や台風までもが、少し怖いながらもワクワクして…。
ここでは、廻りが「喜」に満ち溢れてた。
10代になった頃、世の中すべてが、きれい事のごたくを、ならべた嘘つきばかりの世界に思えた。なにもかも腹が立った。
ここで、「怒」を覚えた。
20代の頃、狭いアパートで、たったひとり、ギターを抱えて、ニュースを見ながら、自分ひとりが、世の中というものから、追い出されてしまっている感覚を覚えた。
すべてのことが、自分を置いてきぼりにして廻っていた。
自分自身が、絵空事の生き物に感じた。
ここで、果無んだ「哀」が、嫌というほど身に染み付いた。
30代になる前、自分の居場所をみつけた。ようやく安心で安全に受け入れてくれる場所。
いわば、自分が自分でいられる、そして、自分を認めてくれる唯一の寝床…。
そこで、「楽」を教わった。
ほんの短い出来事として、もはや想い出として、終わってしまった夏休みのような
ボクのささやかな「楽」…。
人は、喜怒哀楽で一喜一憂しながら、日々を送る。
40代にさしかかると、ひとつず失ってゆく。
「楽」が、消え、「喜」が、消え・・・。
今のボクには、ほんの少しの「怒」と、
振り払ってやりたい「哀」だけしかない…。
でも、「喜」も「楽」も無くなった訳じゃぁない。
きっと、よそ見してたら、どっかに落っことしたんだろう…。
「哀」だけになる前に、はやいとこ探しとこっ。
もう、遅いかもしれないけど、
夏休みの宿題は、まだ提出してないもんね…。